Raspberry Pi5 16GB + NVMe SSD + OpenMediaVaultでNASを構築!【PR】
こんにちは、けんです。
VesonnさんからRaspberry Pi 5 16GBモデルのスターターキットをいただいたので、以前から試してみたかったRaspberry Piを使ったNASを構築してみます。
Vesonn Raspberry Pi5 16GB Starter Kit 技適を取得済み ラズベリーパイ5 16GBボード/64GB カード/ABS放熱...
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商品紹介
こちらが今回いただいたKitの内容です。
Raspberry Pi 5 16GB本体以外にマニュアル、SanDisk製64GB microSDカード、microSDカードリーダー、電源アダプター、HDMI-micro HDMIケーブル×2、アクティブクーラー、樹脂製ケースが付属しています。
Raspberry Pi 5本体はこんな感じ。
8GBモデルまでは抵抗の打ち換えでモデル種別を表していましたが、16GBモデルは基板へのシルク表示に変わりました。
付属している電源は5.1V/5A出力なので、Raspberry Pi 5の性能をフルに発揮できると思います。
NVMe SSD起動に必要な物
今回はNVMe SSD(以下SSD)をRaspberry Piの起動ディスクとして使用します。
速度や耐久性が主な理由ですが、他にも以下のような利点があります。
比較項目 | microSD | NVMe SSD |
---|---|---|
読み書き速度 | 遅い(特に書き込み) | 非常に速い |
耐久性 | 弱い(書き換えに弱い) | 高耐久・長寿命 |
容量の上限 | 最大512GB前後 | 最大4TB以上も可 |
起動の安定性 | OS破損しやすい | 安定動作 |
高負荷運用(Docker等) | 不向き | 非常に向いている |
コストパフォーマンス | 安価だが寿命短い | 割高だが長持ち |
SSDを起動ディスクとして使う場合に追加で必要なものがいくつかあります。
PCIe M.2 NVMe SSD
今回は家に余っていたYottamasterの1TB SSDを使います。
使い方にもよりますが、基本的には250GBもあれば十分だと思います。
Yottamaster 内蔵 SSD 1TB PCIe Gen4x4 M.2 NVMe 2280 最大読込:7000MB/s 最大書込み:6500MB/s PS5対応 3D ...
M.2 SSD 外付けケース
今回はRaspberry Pi OSをWindowsに接続したSSDに書き込みます。
マザーボードのM.2スロットに挿しても良いのですが、色々と面倒なので外付けケースを使いました。
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Raspberry Pi用 M.2 NVMe SSDアダプター
そのままではRaspberry PiにNVMe SSDを接続できないので、アダプターボードを使います。
今回はGeeekPiのメタルケースセットの物を使います。
GeeekPi メタルケースと N04 PCIe M.2 Key-M NVMe SSD PCIe ペリフェラルボード Raspberry Pi 5 用
LANケーブル
今回使用するOpenMediaVault(以下OMV)はセットアップ時からWi-Fi接続するようにしていると問題が発生するようなので、有線LANでネットワーク接続できるようにしておきます。
OSの書き込み
外付けケースに入れたM.2SSDをWindows PCに接続しRaspberry Pi Imagerを使ってOSの書き込みを行います。
先日の通りセットアップ時にWi-Fiを有効にしているとOMV使用時に問題が出るようなので、設定でオフにしています。
SSHも有効化しておきます。
公開鍵方式ではなく、パスワード認証方式にしておく必要があるようです。
最初書き込み時に以下のエラーが出たのですが、挿したポートがUSB2.0だったためUSB3.2Gen2x2のポートに挿しなおしたら無事に書き込みができました。
SSD取り付け
まずはVesonnさんのスターターキットに付属しているアクティブクーラーを取り付けました。
事前にM.2 NVMe SSDアダプターと干渉しないことは確認しました。(エアフロー的にどうかは不明)
3枚ある熱伝導シートは発熱が大きそうな電源回路、SoC、Wi-Fi/BTモジュールに貼り付けました。
続いてM.2 NVMe SSDアダプターを使ってRaspberry PiにM.2 SSDを取り付けていきます。
GeeekPiのメタルケースセットに付属の説明書を見ながら簡単に取り付け出来ます。
フレキはちょっと入れづらかったです。
M.2 SSDが取りつくとカッコいいですね。
ケースに収めるとこんな感じです。
Raspberry Pi 5から追加された電源ボタンも押せます。
ただ決して押しやすくはないので、ケース側にボタンを押しやすくするためのパーツが付いてると良かったですね。
パーティション調整
このままだとOMVをインストールしたドライブ(=NVMe SSD)をNASとして使うことができないので、パーティションを分割します。
Raspberry Pi Imagerを使って新たにmicroSDカードにRaspberry Pi 5用のRaspberry Pi OS 64bitフル版を書き込みます。
そしてこのmicroSDカードをRaspberry Pi 5に接続&電源投入し、VNCで接続できるようにします。
VNCの設定や接続方法はリンク先をご覧ください。
ターミナルからgpartedをインストールして起動します。
右上に表示されているドライブのリストからNVMe SSDを選択します。
/dev/nvme0n1p2を選択し、右クリックからResize/Moveに進みます。
New Size(MiB)にRaspberry Pi OSのシステムドライブとして残したい容量を入力します。
今回は約64GB残したかったので、64000と入力してResize/Moveをクリックしました。
警告はOKをクリックして閉じます。
次にunallocatedを選択して右クリック→Newと進みます。
今回は残りの容量全てをNAS用に使うので数値はそのままとし、Labelだけnasdataと設定しました。
Addでウィンドウを閉じたら、緑の✔(Apply All Operations)をクリックして変更を反映させます。
変更は数秒で終わります。
ここまで出来たらRaspberry Piをシャットダウンし、電源を抜いた後microSDカードを抜きます。
microSDカードに書き込んだRaspberry Pi OSはもう使用しません。
ブートローダーの更新
Raspberry Piのデフォルト設定ではmicroSDカードからOSを起動する設定になっているので、これをNVMe SSDから起動する設定に変更します。
Raspberry Pi Imagerを開き、デバイスはRaspberry Pi 5を選択し、OSはMisc Utility Images→Bootloader(Pi 5 family)→NVMe/USB Bootを選択します。
そしてこの状態でmicroSDカードに書き込みます。
書き込んだmicroSDカードをRaspberry Pi 5に接続し、電源を接続します。
ブートローダの更新は数秒で終わります。 Raspberry Pi状の緑LEDが早く点滅したら完了です。
また、この時HDMIでディスプレイに接続しておくと更新が終わった時に緑の画面が表示されるので、これが目安になります。
更新が終わったら電源を引き抜き、microSDカードを取り出し、LANケーブルでルーターなどと接続してから再度電源ケーブルを接続します。
初期設定が始まるので少しの時間待ってからTera TermなどでSSH接続できれば成功です。
OMVのインストールとセットアップ
まずはお決まりのaptパッケージの更新をしておきます。
またこの時点でlsblkコマンドを実行してみると、ちゃんとパーティションが分割できていることが分かります。
<!重要!>
2025/6/16時点では事前にeth0とRaspberry PiのMACアドレスを紐づけておかないとOMVが起動できませんでした。
必ずOMVインストール前に実施してください。
ちなみにOMVが起動できなくなる原因はRaspberry Pi OSの元になっているDebianで有線LANの名称がeth0→end0になったもののOMVはeth0を探しに行ってしまうため見つからずに積むということです。
まずMACアドレスの確認。
ethのlink/etherの後に書かれている赤字部分がRaspberry Piの有線LANのMACアドレスです。
別途メモ帳などにコピーしておきましょう。
MACアドレスをeth0に紐づける設定ファイルを作ります。
nanoエディタ上で以下のように入力します。
MACアドレスは先ほどメモ帳にコピペしたものに置き換えてください。
Ctrl+x→y→Enterで保存します。
ここまでできたらOMVのインストールをします。
インストールが終わると以下のメッセージが表示され、自動的にRaspberry Piが再起動します。
SSHクライアントは自動終了しないので手動で閉じます。
自動で再起動しない場合はインストールに失敗している可能性があるため、sudo apt update以降を再実行してみてください。
そしてRaspberry Pi OSインストール時に設定したホスト名を使ってブラウザからhttpアクセスするとOMVのログイン画面が表示されます。
私の場合は以下となります。(httpsでないことに注意)
http://omvpi.local/
右上の地球マークから言語を日本語に変えることができます。
OMVの初期ログインID/PASSは以下です。
ログイン出来たら右上の人型アイコンからパスワードの変更をしておきましょう。
NASとして使う
OMVの左ペインからストレージ→ファイルシステムと進み、青い▶(既存のファイルシステムをマウントします)をクリック。
ファイルシステムにgpartedで分割したパーティションが表示されるので選択して保存をクリック。
黄色背景のメッセージが表示されるのでチェックマークをクリック。
OMVは変更した設定を反映するのにこの操作が必要になるので覚えておきましょう。
以降この操作は省略しています。
続いてストレージ→共有フォルダと進み作成ボタンをクリック。
任意の名前を設定し、ファイルシステムには先ほどマウントしたパーティションを指定します。
続いてサービス→SMB/CIFS→設定と進み、有効にチェック。
さらにサービス→SMB/CIFS→共有→作成と進み、共有フォルダのリストから先ほど作成した共有フォルダを選択。
一旦動作を見るためパブリックをゲストに許可設定にしましたが、この後のユーザー作成と権限設定をしてやれば”いいえ”に設定することで認証ユーザーのみがアクセスできるようにもできます。
ひとまずその他はデフォルトのままで保存。
続いてユーザー→設定と進み、有効にチェックを入れてロケーションに共有フォルダを指定して保存。
さらにユーザー→ユーザー→作成からユーザー名、パスワードを設定し、グループにsambashareを追加。
最後にストレージ→共有フォルダと進み共有フォルダを選択した状態でアクセスコントロールリストをクリック。
下の方にスクロールして先ほど作成したユーザーのパーミッションのRead/WriteをONにして保存。
ここまでできたらエクスプローラーで\\omvpi.local\OMV_NASにアクセスできるようになるはずです。
エクスプローラーのネットワークドライブの割り当てから以下のように割り当てて、OMVで作成したユーザー名/パスワードを使ってログインしておくとローカルドライブと同じように扱うことができるようになります。
まとめ
VesonnさんからRaspberry Pi 5 16GBモデルのスターターキットをいただいたので、Raspberry Piを使ったNASを構築してみました。
キット自体は最初から櫃世なものがほぼ入っているので、これからRaspberry Piを始める場合には良いと思います。
今回の使い方で行くとLANケーブルも入っていると良かったですね。
またOMVを使ったNASについては実際にはスムーズにいかない部分が多く何度もOSを書き直したり、OMVのインストールやり直したりしましたが、試行錯誤してやっとNASとして使えるようになりました。
途中パーティション調整を行う必要もありましたが、ゆくゆくはRaspberry Pi ImagerでOS書き込み時にできるようになると良いですね。
肝心のNASとしての速度ですが、エクスプローラーでファイルをコピーしてみると110MB/sほどでした。
普段使っているNASは60MB/sくらいだったので、速度的には8割増しくらいになっています。
こちらはHDDを使ったNASなので、SSDとの速度差が出たのかもしれません。
ただ、今回作ったNASはデータ保存の信頼性は高くありません。
そもそもシステムドライブとデータ保存ドライブが物理的に同じなのは不安があります。
信頼性を上げるにはやはりRAID1を組んでミラーリングするなどが必要かと思います。
現在常用しているNASはルーターのおまけ機能の簡易NASで不満も多いので、しばらくOMVを使ったNASも使ってみて良さそうであれば外付けHDD2台+RAID1の構成に変えてみたいと考えています。
また、NASとして使う分にはRaspberry Pi 5 16GBモデルはオーバースペックだと思います。
なのでOMVと並列でCasaOSを入れて、複数コンテナを使ってみるようなことも今後試してみたいと思います。
Vesonn Raspberry Pi5 16GB Starter Kit 技適を取得済み ラズベリーパイ5 16GBボード/64GB カード/ABS放熱...
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