LCSCで売ってるナゾのメテオLEDドライバーICを使ってみた【JLCPCB】【PR】
こんにちは、けんです。
JLCPCBさんとのコラボ第4段の今回はLCSCで見つけたナゾのLEDドライバーICを使って、いい感じにLEDが光る基板を作ってみたお話です。
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LCSCとは?
LCSCは、世界中の電子工作・開発者向けに部品を提供している電子部品の通販サイトです。
豊富な在庫と価格の安さに加え、データシートや実装情報が整理されているため、試作用途にも向いています。
JLCPCBとはグループ企業の関係にあり、LCSCで取り扱われている部品の多くはJLCPCBのPCBA(基板実装)サービスにそのまま利用可能なのがポイント。
そのため、設計 → 基板製造 → 部品実装までをスムーズにつなげられる環境が整っています。
少量の場合ははんだごてで自分で部品を実装するのでもいいと思いますが、高密度な基板や一度に数を作らなければいけない場合などは基板メーカーのPCBAサービスを利用する事がお勧めです。
他のメーカーだと自分で買った部品を送ったり、リストにある部品から指定したりするのが結構めんどくさかったりするんですが、JLCPCBの場合はLCSCにあるパーツが簡単に使えるので一度使うとホント楽です。
しかもEasyEDA用にシンボルやフットプリントが準備されている部品も多いです。
自分の場合はKiCADを使っているので、easyeda2kicad.pyというpythonスクリプトを使用してフットプリントを使用しています。
気になる部品を見つけた
いつものようにLCSCを眺めていたら、
6-channel LED meteor shower display effect driver
と説明されたTM1834という部品を見つけました。
見た目はSOP-8パッケージのいたって普通のICです。
すいラボではメテオLEDという光が流星のように流れるアクセサリーも作っています。
見る人が見ればわかりますが、こちらはモジュールの状態で販売されているものを使用していて、そこに載っているのがSOP-8のICなんですね。
ただ刻印が消されているので、どういうICなのかは分かりません。
そんな中見つけたTM1834というICはパッケージといい、機能といい、メテオLEDで使われているICなのでは!?と考えたわけです。
が、電源、GNDピンの配置が真逆だったので、その思惑は早々に否定されました。
とは言え、面白そうなICなのは間違いないのでテスト基板を作って動作確認してみることにしました。
基板設計する
基板設計する際には電子部品のデータシートを見るのがお約束です。
データシートは要は説明書みたいなもので、どういう電源電圧で動くとか、ピンアサインがどうなってるかとか、最低限こんな回路にすれば動くとかが書いてあります。
TM1834もLCSCにデータシートがあるものの中国語なので、ChatGPTを使って適宜日本語にして読んでいきました。
電源電圧範囲は2.8~5.5Vなので、電源はボタン電池とUSB-Cが使えるように設計。
テスト基板なので切替はショートはんだで。
ピンアサインと推奨回路図も載っているので、まずはこれに従って回路設計しました。


が、電源電圧範囲が2.8~5.5Vにも関わらず、推奨回路では6.8Vを電源入力しています。
この辺が”ナゾ”の部分ではあるのですが、一応データシートには
VDD端に5.5V内部レギュレータを内蔵
という記載があります。
これを信じれば6.8Vを入力しても良いんだと思いますが、だったら実際何Vまで入力していいのか書いてほしいですね。
あとは何となくですが、推奨回路には無いICのVDD-GND間へのパスコン追加と、LEDの電流制限抵抗は追加しておきました。
LEDは1出力当たり並列で3つずつ並べました。
本当に電流制限抵抗要らないんだったら、0Ω抵抗乗せればいいですからね。
動作確認
今回も発注から1週間ほどで基板が届きました。
デザフェス落選の傷心の中、今月のJLCPCBコラボのお時間です。
今回はLCSCで見つけたナゾのICを使ってみます。#JLCPCB #JLCPCB日本 #PR pic.twitter.com/Z73Gg6fHD1
— けん@すいラボ🍜デザフェス62【K-246~248】西4暗いエリア (@suilab_ken) December 12, 2025
さくっと部品を実装してCR2032電池で動かしてみます。
ほぼ応用回路例そのままの状態で動作確認。青色LEDを使用。
それらしく光ってるように見えるが、後半2個のLEDが光っていない。これ電圧降下でリセット掛かってそう。電池じゃなくて安定化電源使ってみるか。 pic.twitter.com/FXogURDpAj
— けん@すいラボ🍜デザフェス62【K-246~248】西4暗いエリア (@suilab_ken) December 12, 2025
各出力当たり1個だけLEDを実装した状態で動かしましたが、ちょっと動きがおかしいですね。
6個中最後の2個が光らない状態でループしてます。
見た感じLEDが4個点灯した時点で電圧降下によりICにリセットが掛かっているように見えます。
ということで、CR2032ではなく安定化電源を繋いでみたのですが、3.0V出力では一切点灯せず3.2V出力にすることでやっと動き出しました。
さっきの電池動作の時と違って6個目のLEDまで光っていますし、キレイにループ動作しているのが見て取れました。
安定化電源で3V入れても光らなかったけど、3.2Vにしたら光った。
なるほど、
こういう光り方するのか。どう考えても明るすぎるので、もうちょっと手を加えてみよう。 pic.twitter.com/Lpnq9VkcTO
— けん@すいラボ🍜デザフェス62【K-246~248】西4暗いエリア (@suilab_ken) December 12, 2025
その後電流制限抵抗(とりあえず330Ω)を入れて輝度を下げ、LEDもフルフルの18個載せて、再度CR2032に戻して光らせてみました。
LEDマシマシ。
この光り方、中々良いね! pic.twitter.com/KGWZU9rfy4— けん@すいラボ🍜デザフェス62【K-246~248】西4暗いエリア (@suilab_ken) December 12, 2025
この光り方はなかなかいいですね!
とりあえずTM1834と18個のLEDを使ってメテオ動作はできましたが、やっぱり電源回りが気になります。
データシートの推奨回路通りに設計&部品実装していたので、安定化電源で徐々に電圧上げながらVDD端子の電圧を測ってみたんですが、6.0Vを入力した時点でVDD端子の電圧が5.5Vになっています。
5.5Vのレギュレータとは…?
データシート通り電源ラインに2kΩ入れた状態で安定化電源の出力電圧変えていったんだけど、6V入れた時点でVDD端子に5.5V加わってるから、絶対6.8V入れたらダメだと思うんだけど何なの?🤔 pic.twitter.com/RLynDhwmUw
— けん@すいラボ🍜デザフェス62【K-246~248】西4暗いエリア (@suilab_ken) December 12, 2025
VDD端子に繋いだ2kΩの抵抗とTM1834内部のツェナーダイオードでシャントレギュレータを構成してるんだと思いますが、ダメ元で6.8Vを入力したらVDD電圧が6.2Vだったのでちょっと信用できません。
IC内にツェナーダイオードが逆バイアスで存在して、VDD端子に2kΩの抵抗をシリーズで入れてるからシャントレギュレータになってるってことか。
5.5Vのレギュレータを構成しているらしいが、6.8V入力してVDD-GND間の電圧測ったら6.2V出てるんだが🤔 pic.twitter.com/sKvGy9s04s
— けん@すいラボ🍜デザフェス62【K-246~248】西4暗いエリア (@suilab_ken) December 13, 2025
自分の測定方法が間違ってたりするのかと思ってChatGPTに聞いてみたんですが、”しょんべんレギュレータ構成ですね”というパワーワードを返されて困惑しました。
このことをChatGPTくんに聞いてみたら、しょんべんレギュレータというパワーワードを返してきた。
そういう言い回しがあるのかとググってみたらGeminiが困ってるじゃないか。
どこで覚えたんだ。 pic.twitter.com/kaZexC578d— けん@すいラボ🍜デザフェス62【K-246~248】西4暗いエリア (@suilab_ken) December 13, 2025
とりあえずここまで動かしてきた感じだとデータシート記載の電源電圧範囲2.8~5.5Vを入力してもツェナーダイオードの降伏電圧には達しないようなので、VDDに接続した2kΩは除去して0Ω抵抗でショートしたら電源電圧が2.8Vでも動くようになりました。
そしてTM1834のVDD-GND間に念のため準備していた1uFのセラコンを入れて動かしてみました。
最終的に電源直結&VDD-GND間に1uFのパスコン追加して電池動作させてみた。
データシートは難ありだけど、ワンチップでこの光り方ができるのは面白いね! pic.twitter.com/TC2jdzX54J
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自分も詳しく調べられてるわけじゃないですが、この構成で動かすのが良さそうかなという感じです。
まとめ
LCSCで見つけたナゾのLEDドライバーIC TM1834を使ってみました。
データシートには難ありですが、1チップで流星のような光らせ方ができるのはとても面白いですね。
電源電圧範囲2.8~5.5Vで使う場合はVDDへ直列で抵抗を入れずに使った方が良いでしょう。
無駄に電圧降下するので3.2V程度の電圧が必要になってしまいます。
CR2032のようなボタン電池でも動作させられることが分かったので、小型基板でうまいこと使って見たいです。
こういった単純な基板でもJLCPCBでは安価に作れるのはホントに助かりますね。
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この記事を書いた人
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熱しやすく冷めやすく、さらに完全に形から入るタイプ。
電気回路を勉強中のへっぽこ会社員。
好きなレトロゲーム
【FC】テニス、バルーンファイト、ドラゴンバスター、ボンバーマン
【SFC】スーパーマリオワールド、エキサイトステージ、ドラゴンクエストV、VI、ファイナルファンタジーVI
【GB】ラクロアンヒーローズ、モトクロスマニアクス、魔界塔士Sa・Ga
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