KiCADで書き出したSVGファイルをAutodesk Fusion(旧Fusion360)に実寸で取り込む方法
こんにちは、けんです。
普段、基板設計にはKiCAD、3DCADはAutodesk Fusion(以下Fusion)を使用しています。
KiCADで設計した基板外形に合わせた3Dプリント品を出力したかったのでKiCADからSVGファイルを書き出してFusionに取り込んだのですが、寸法がかなり小さくなっていて困ったので解決方法を載せておきます。
FusionでSVGを取り込むときは4/3(1.333…)倍すれば良いと思っていた
普段FusionにSVGを取り込む際は4/3倍して取り込むことで実寸サイズになっていました。
今回も同じように尺度指定したのですが、それでもサイズがかなり小さくなってしまいました。
ちなみに”Fusion SVG 実寸”で検索すると4/3倍すればよいという情報も出てきますが、これはイラレで書き出したSVGファイルの場合に当てはまる方法です。
自分も普段はイラレで書き出したSVGファイルしかFusionでインポートしていなかったので、SVGファイル全般が4/3倍すればいいものと思い込んでいました。
結論:DXFを使え!
書き出したSVGファイルをどうこうするより、DXFで書き出せば実寸で扱えます!
(ということを、このブログ書き終わるころに知りました…)
今回はKiCADのPCB Editorで設計した以下のような縦70mm、横30mmの基板外形をDXFファイルでエクスポートします。
四隅に基板の取付穴があるので、寸法精度が割と重要になります。
基板外形をDXFで書き出すにはKiCADのPCB Editorのファイル→プロットを開き、左上の出力フォーマットをDXFに変更します。
含めるレイヤーは基板外形であるEdge.Cutsのみ。
DXFオプションの外形線を使用してグラフィック アイテムをプロットのチェック解除。(チェック入れてたら線が二重になった)
(重要)エクスポート単位はmmにする。
続いて、Fusionの挿入→DXFを挿入からDXFを挿入したい平面/スケッチを選択。
先ほどエクスポートしたDXFファイルを指定してOKをクリックでインポートされます。
DXFファイルの原点は左上になるようで、KiCADの場合は図面枠の外にある白線の左上の角がそれにあたります。
なので上図のように基板を配置してDXF書き出しすればFusionに取り込んだ時に左上が原点位置に来ます。
(FusionにDXFを取り込んだ後移動すればいいだけですが)
で、実際に寸法を測ってみるとKiCADで設計した通りの寸法になっています。
やったね!
あとは煮るなり焼くなり、押し出すなりしてください。
どうしてもSVGファイルを実寸で取り込みたい場合
相手からSVGしかもらえなかった!とか、すでに元ファイル無くてSVGしか無い!という場合もあると思うので、SVGファイルを実寸で取り込む方法も残しておきます。
DXFファイルでエクスポートできる人は飛ばしてください。
今回はKiCADのPCB Editorで設計した以下のような縦70mm、横30mmの基板外形をSVGファイルでエクスポートします。
四隅に基板の取付穴があるので、寸法精度が割と重要になります。
PCB Editorのファイル→エクスポートSVGを開き、基板外形であるEdge.Cutsのみにチェックを入れてエクスポートします。
続いて、Fusionの挿入→SVGを挿入から先ほどエクスポートしたSVGファイルを取り込みます。
明らかに小さいです。
この時点で尺度指定することもできますが、実際どのくらい小さいのか分からないので尺度はそのままにします。
SVGファイルを取り込んだスケッチは線が緑になっています。
このままだと尺度指定ができないので、スケッチ全体を選択した状態で拘束メニューにある鍵マークの固定/固定解除をクリックします。
これでスケッチ線が通常の水色になり、各種操作ができるようになりました。
自分はこれを知らなかったので、SVGファイルを読み込んだ後は尺度の変更できないじゃん!と思っていたのですが、拘束が掛かってたんですね。
ここまでできたら検査アイコンをクリックして、既知の寸法(今回は70mmの部分)を計測します。
結果部分をクリックして数値をコピーしておきましょう。
続いてスケッチ全体を選択してから、修正→スケッチの尺度を選択し尺度変更時の基準点となる点を選択したのち、尺度係数に「既知の寸法/検査で測定した寸法」を入力しOKとします。
再度検査コマンドで既知の部分の寸法を測定し、実寸になっていれば修正は終わりです。
「おいおい、実寸になってねぇじゃねぇか!」って思いますよね。
私も思います。
原因は計測コマンドで測定した値が小数第3位までしか表示されないからです。
精度を上げるには計測ではなく、作成→スケッチ寸法で表示された値を使った方が良いです。
こちらだと小数第10位まで表示されます。
この値を使って尺度変更した結果がこちらです。
あとは煮るなり焼くなり、押し出すなりしてください。
まとめ
KiCADで書き出したSVGファイルをAutodesk Fusionに実寸で取り込む方法をまとめてみました。
分かってる人には「そんなの当たり前だろ」と思われるかもしれませんが、どなたかの参考になれば幸いです。
これまでSVGファイルをFusionにインポートして使うということをよくやっていましたが、CADに取り込む場合はDXFファイルを使うようにしようと思います。
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電気回路を勉強中のへっぽこ会社員。
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