【Nintendo Switch】Joy-Con(ジョイコン)のスティックを分解/修理!?
こんにちは、けんです。
=====2023/07/11追記=====
構造上ドリフト現象が起きないスティックに交換した動画をYoutubeに上げているので、こちらもご覧ください!
Joy-Con修理キット ジョイコン修理パーツ, Gulikit Switchジョイコン用スティック ホールセンシング技術を...
=====追記ここまで========
前回、勝手に動くようになってしまったJoy-Conのスティックを互換品に交換する記事を書きました。
おそらく任天堂に修理に出す以外はスティック交換がもっとも一般的な方法だと思います。
しかし何故スティックがそんな壊れ方をしてしまうか気になりませんか?
私は気になったのでスティック自体をバラしてみたところ、原因が見え、さらに快適に使用できる状態に戻すことが出来たので、その結果をまとめます。
分解の準備
分解するスティックはJoy-Conに最初から付いていた純正品です。
4月の半ばごろからキャラクターが勝手に左に動き出して、どうしようもなくなって互換品と交換した個体です。
スティックを見てみると、金属のカバーが四方それぞれ爪で固定されていることが分かります。
おそらくはこの爪を外してやれば金属カバーが外れて、中を見ることが出来るのだと思います。
家にある工具でいろいろ試してみましたが、特に分解に適したものは無かったのですが、スマホ分解セットに入っている薄いヘラがあると便利です。
スティックの分解
お約束ですが、Joy-Conを分解することで修理を受けられなくなる可能性が高いです。
さらにスティックは破壊を伴う不可逆的な分解しかできないと思われます。
分解、部品交換は自己責任でお願いします。
またJoy-Conの分解方法は前回の記事をご覧ください。
金属カバーを外すため、周囲の爪を浮かせていきます。
どこから始めても良いと思いますが、まずはスティック上側に引っかかっている爪から持ち上げていきました。
中々簡単には持ち上がらず、徐々に力を入れていったところ、いやな感触とともに一気に爪が持ち上がりました。
写真ではギリギリ繋がっていますが、やはり金属疲労で折れてしまいました。
そもそも分解できる構造になっていないので、壊れてしまうのは仕方のないことです。
残りの爪も浮かせていくと金属カバーを外すことが出来ます。
スティックの内部
いよいよスティックの内部のお目見えです。
電気的な部品はシート状の基板(FPC)のみで、あとはバネやら機構系の部品のみです。
Joy-Conのスティックはアナログスティックなので、傾け具合によってキャラクターの動くスピードなどが変わったりしますが、エンコーダーで角度検知している訳ではないようです。
そして写真を見て気づくのは、内部がとても汚いということです。
白い粉状のものがFPC、スティック側ともに付着しています。
これはスティックを動かしたときに白い樹脂パーツと、金属のバネ、リングが擦れて樹脂パーツが削れて粉が発生しているように見えます。
それがFPC上の黒い接点上に溜まり、導通不良を引き起こしていると思われます。
金属パーツと樹脂パーツをかみ合わせたりすると樹脂パーツが削れて摩耗するというのは当然のことですが、割とよくある?ことかもしれません。
初代PlayStationのCDピックアップも駆動部が金属と樹脂の組み合わせだったため、樹脂側が摩耗してゲームの読み取り不良の原因になることがありました。
コストと品質のバランスを取った結果なのだとは思いますが、Switchの場合は品質面で大きな影響が出てしまいましたね。
アメリカではJoy-Conのスティック不良について集団訴訟が起こされるまでになってしまいました。
Switch Liteでも構造は変わっていないようなので、今後改善される見込みは薄いかもしれないですね。
スティック内部の清掃
おそらくこの白い粉がスティック不良の原因と思われますが、それを確認するにはきれいにクリーニングして再度組み立てて動作確認するしかありません。
金属カバーの爪が折れてしまっているので、元に戻る可能性は低いですが、試してみました。
まず、FPC上の白い粉を接点復活材と綿棒を使ってクリーニングしました。
接点復活材はいろいろな種類がありますが、下記のようなゴムやプラスチックを侵さないタイプを使ったほうが良いです。
続いてスティック側も同様に清掃します。
スティック側は細かいパーツが組み合わさっているので、慎重に拭きましょう(パーツが外れてもすぐに戻せます)。
エアダスターを使うとパーツがどこかへ飛んでいくと思うので、使用は避けた方が良いでしょう。
クリーニングが終わったら金属カバーを無理やり元に戻します。
ラジオペンチで爪を無理やり戻しましたが、やはりどうしても隙間が出来てしまいました。
そしてJoy-Conに組み込んでいきます。
組み立て方は前回の記事をご確認ください。
金属カバーが浮いた状態でしたが、ここまで組み立てると裏側から樹脂パーツで抑えられるため、問題なくスティックの押し込みもできるようになりました。
動作確認
Joy-Conが無事に組みあがったら動作確認をします。
Switchのホーム画面の「設定」→「コントローラーとセンサー」→「スティックの補正」→左スティック押し込み→Xボタンからスティックの補正を実施します。
どうも補正後に手を放してもカーソルが真ん中に戻らなかったり、上に行き切らなかったりしています。
実際にあつ森をプレイしてみると上方向に入力したときにキャラクターの動きが鈍い感じがあったのですが、1時間ほど使用してたら馴染んできたのか、全方向入力問題なし、さらにあれだけ悩まされたキャラクターが勝手に動くという現象が無くなりました。
そして修理して1週間ほど経ちますが、不具合は一切出ておらず快適にあつ森のプレイが出来ています!!
まとめ
Nintendo SwitchのJoy-Conのスティックを分解、清掃して修理することに成功しました。
最初は中を見るだけのつもりだったのですが、元通りに動作させることが出来たのは良かったです。
一切の破壊無しに分解できれば最高でしたけどね。
この記事を書いた人
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熱しやすく冷めやすく、さらに完全に形から入るタイプ。
電気回路を勉強中のへっぽこ会社員。
好きなレトロゲーム
【FC】テニス、バルーンファイト、ドラゴンバスター、ボンバーマン
【SFC】スーパーマリオワールド、エキサイトステージ、ドラゴンクエストV、VI、ファイナルファンタジーVI
【GB】ラクロアンヒーローズ、モトクロスマニアクス、魔界塔士Sa・Ga
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物凄く参考になりました。しかし、なぜSwitchのJoy-Conだけ、このような問題が発生するのでしょうか?他のゲーム機のアナログスティックは樹脂素材を使っていないのでしょうか?
Dazzさん
うまく説明できませんが、スイッチとPS系のスティックは構造が違います。
↓PS4のアナログスティックのイメージです。
https://www.amazon.co.jp/dp/B01MDVJ7HY
過去にPS2のコントローラーを分解したときもアナログスティックは上記リンクのような形状でした。
スイッチの場合はJoy-Conの様々な持ち方を考慮してスティックを薄くした結果、不具合が出やすくなってしまったのかもしれません。
私はデュアルショック4のスティック基盤の中に入っている金属ネジを探していてこの記事を見つけました。デュアルショック4の金属ネジには10g、25g、50g、75g、100g、150g、200gとスティックの硬さに影響を与えるネジの種類がこれだけ存在します。
海外では販売しているサイトが合ったのですが、日本では見つける事が出来ませんでした。
もし知っていたら教えてもらうことは出来ませんか?
申し訳ありませんが、デュアルショック4に関する情報は持ち合わせておりません。